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モンブランの秘密・・・・Vol.4
当時、250円で大きくて、安くて、食べやすい「洋菓子屋の定番モンブラン」
中国栗に、白餡を練りこんだ「 黄色いモンブラン 」
2度目の渡仏でわずか1年半で帰国。
フランスの田舎町よりは、東京に近い三島はまだましな方だと、勝手に思い・・・少しずつ先代の既存メニューに「新メニュー」を出していけば・・・と、甘い考えで家に帰ってきたものの・・・・小さい店で、昔からの職人&地元パートさん「お給料を貰える仕事」としてのお菓子作り
決して、「美味しい物を!」「最高の仕事で!」よりも、言われた事を毎日やるだけ。永く居られれば、何も苦労しない。人ばかり・・・・
もちろん悪い事ではないですが、あまりにも自分の今までと違いすぎ、途方にくれて・・・・・・そうだっ「モンブラン」
そう、お客様にも、先代のスタッフたちにも「変わった、代わった」事を理解させるには・・・・・「モンブラン」
でも、「ララ洋菓子店」にケーキを買いに来るお客様に急に「新作モンブラン」では、お客様が迷ってしまう。
特に保守的な田舎町では、「 変化 = 拒絶 」の、アレルギー反応で売上が減る恐れも・・・、
じゃあ、モンブランをどう?変える?・・・・材料は?問屋は?業者は?商社は?
フランスの食材輸入商社にマロンペースト・マロンクリームの確認。
アーモンドパウダーは、フランス・東京のように自社でアーモンドから粉砕、ローラーとはいかず、なるべく荒いものが取れる業者を探し。
多くの洋菓子屋がコスト面重視で、油脂メイカーのコンパウンドクリームを使っていたものを高いけど「純生クリーム」に!
純生クリームの配送頻度を、生クリーム専業乳業者に確認。
後は、「メレンゲ」「クレームオブールマロン」「シャンティー」「クレームドマロン」などを仕込み!
まずは、パートのおばちゃん達に食べてもらい、職人に食べてもらい、それでも2種類「モンブラン」があってはおかしいので、「フランス産マロンクリーム」とても小さくて、お値段も高くて320円!
冷蔵が普通の厨房に、国産だったけど冷凍庫を入れて、「急速冷凍」
普段の仕事が片付いた後の仕込み、夜中に急速冷凍・・・そんな新作2・3品が当然・・・売れるはずはなく・・・・・
さあ、どうするか?
仕入れた材料代も自己負担!残業も、早出もすべて自分で・・・広告費だけは少し出してもらって・・・「大売出し!」
それも「半額!」食べて貰えば・・・味がだめな筈はない!値段が田舎には・・・?なら「値引き売り出し!」
あまり頭の良い策ではないですが・・・自信作を世に出すキャンペーン!
結果は・・・・3日間で1000個、次の月にも3日間2000個!半年後に3日間・・・・・
そして、2年ぐらいで・・・「ララのモンブラン」は、これ!ってなって、「黄色いモンブラン」は、引退。
しばらくは、懐かしの黄色いモンブランとしてロールケーキ型でやったりしましたが、今ではもう「あの黄色いモンブラン」・・と、お客様から声が聞こえる事もなくなりました。
モンブラン小、特大モンブラン15cm、特注モンブラン18cm
で、普段でも普通にご指名、ご注文を受けられるようになりました。
モンブランレシピはこちらのフェイスブックノートから
モンブランの秘密・・・・Vol.3
モンブランのレシピ(リンク)は、このページの一番下です。
さて、前回,前々回の続きです。
東京・尾山台「 A ・B・ V・ T 」河田氏のもと4年目に入り,アントルメティエを任されるようになって、なんなく「 モンブラン 」を絞り。
生ものの面白さも判ってきた頃、腰に激痛!
何ヶ月か違和感はあったものの・・・・姿勢が悪いからかな~?ぐらいに
痛いのなんのって・・・・その前までも先輩たちも「血尿なんか出てやっと半人前!」・・・・「体育会系なら部活でそれぐらいやってるだろ~」・・・・各先輩たちは地方で5・6年それなりにやってきて、いわゆる「箔を付ける」・・・・「フランスに行く準備」・・・・「料理人から菓子職人へ」とか、他の店ならシェフクラス当たり前みたいな人達が少数精鋭で,・・・しかもお店の地下のラボの中で・・・・根つめて仕事している。
ピーンと張った空気の中、最高の菓子を出す!って事だけに集中している!
隙があれば、人のポジションを伺う(取ってやる!)くらいの勢い!
そこで、ちょっと腰が・・・・痛いので休ませて・・・・なんて言えない!
半年くらい繁忙期を頑張って,少し時間が取れた頃のお店の休日。初めて病院へ
予想に反して・・・と言うか,予想どうり・・・・石!腎臓結石。トホホ
アントルメ(生のケーキ)のポジションを、泣く泣く・・・同僚に代わってもらい、入院。
東京での、1週間ぐらいの入院では石が出きらなくて、薬で仕事に復帰したものの・・・お店になんとなく迷惑をかけて続けることもできず。
河田シェフとも話をして、完全に治してから,出来れば「フランスに行きたい!」って、はっきり!
体を治して,次の店にと言ってくれましたが・・・・当時東京のどのお店も「売れている店」「美味しいお店」「異業種参入」「外資系」・・・・・どれもしっくり来ない。
「シェフのやりたい事をそのまま表現している店」を、探しに再びフランスへ行く事になったわけです。
そして、前回お話したフランス・リヨンでの「東京のモンブラン?」のお話
91’湾岸戦争の勃発で、失業⇒帰国⇒帰郷
前々回の「黄色いモンブラン」がまだまだ当たり前の「三島」へ
そして、次回こそ黄色いモンブランvs.モンブラン
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モンブランの、こだわり・・・Vol.2
昨日の続き
2度目の渡仏で、リヨン2区クール・ガンベッタの、「 ルネ・モンテラ 」で、働けて2ヶ月ぐらいたった頃、
小さいお店なので、朝5時から、ヴィエノワ、焼き物、朝出し、仕込み・・・・お昼休憩2時間・・・・・仕込み、時折ショコラティエなども、何でもやらせてもらい、少しづつ慣れてきた頃
「何か東京のお菓子を作ってみろ」って、言われて最初に作ったのが 「 モンブラン 」でした。
日本、東京でも「甘~く感じるモンブラン」
レシピも尾山台のまま、材料も生クリームのメイカーが違う程度、糖度も割合もそのままに作った「モンブラン」
反応は・・・・・「ん~上手い!最高だ!」と、厨房の皆も絶賛!マダムもヴァンドゥーズ(店員)までも褒めてくれて・・・・
でも、お店で(フランスで)出すには、もう少し大きめで,マロンが濃いほうが「売れるんだよな~」って、仲間が・・・
パリの「アンジェリーナ知ってるか?」「食べたことあるか?」って、美味しいんだけど・・・・日本の味VS.フランスの味
どちらか良し悪しを決めるのではなく,自分の舌を信じてレシピを作るんだ!・・・と,モンテラさん。
その後も、「 フランボワジエ 」「 プランス・ガスコーニュ 」「 メキシカン 」などを暇な時に,小さい量で仕込ませて貰っては、食べさせて賞賛は貰うものの・・・?
まだ、自分のレシピが完成されていない、悩めるお年頃、菊川 儀明:当時25歳
モンブランとの格闘は、まだまだ続きます。
次回は帰国後の「黄色いモンブラン」vs.「尾山台モンブラン」
こだわりの「モンブラン」
お菓子作りは、難しいですか?
近隣、三島市内や裾野市の中学生などが研修に来た場合の
研修の最後に「質問タイム」を取る事があります。
事前に用意してきて、順番に聞いてくれる中に
「お菓子作りは難しいですか?」とか「お菓子作りで難しいところは?」
・・・と言う、質問は何処の中学・高校生の子達でもお決まりです。
逆に「お菓子作った事ある?」
「お家で母親と・・・」「学校の授業で・・・」「友達の誕生日に・・・」「バレンタインデー前に」
「シュークリーム失敗しました!」・・・・・などなど。
「難しいかった?」 「失敗したことある?」 「諦めちゃった?」って、逆質問。
「失敗したこと原因追及までした事ある?」・・・「???」
ここに居るパテイシエ・パティシエールも「プロなりたい!」って、はじめてみて・・・最初は失敗することも、あるけれど・・・・「なぜ?どうして?失敗?」「許される範囲?」って、日々、頑張っているんだよ~
毎日々、普通に繰り返している事をただ言われてやる仕事 「 作業 」 から⇒
「自分でやる仕事」に変えられたら、一人前!
更に目指さなきゃならないのは・・・・
「感動される商品レベルまで!」・・・・なんですが・・・中高生には難しすぎたかな?
お菓子作りの、おもしろい所Vol.5
お菓子作りで,楽しい瞬間!人それぞれ、パティシエの感性如何ですが。
特に中・高校学生が研修に来て、「質問タイム」では、お決まりの「シェフがお菓子作っていて楽しい時は?」で、こちらもお決まりで・・・・
お客様に「美味しかったと言って頂いて、再来店して頂けること」などとお決まりの言葉を用意(笑)してますが・・・・
本当の仕事として、いち職人・アルティザンとして「普通の事を普通に!毎日々コンスタントにレベルをキープする事」ほど難しい事はありません。
その難しさを悩み、時には苦しみ・・・そして克服して!難しさをクリアした時こそ
「お菓子作りって、なんて楽しいんだろう~!」って、
写真では,少し分かり辛いですが・・・
今年3年目男子&一年目女子で仕込み中?
もちろん、同じレシピ、同じ時間,オーブン温度、同じ材料,同じ職人・・・・・で、?
右が、少し気を抜いた仕込みをした場合で75点
左が、普通の仕込み95点
左は、普通にふんわり、ス~とスプーンが入っていく感じ。見た目の高さも取れてます。
右は、低く焼けた分、少し硬く人によっては、こちらが好みの方も居ますが・・・・?
見た目は分かりづらくて、難しいですが・・・
考えられる原因は、一つとは限りません・・・が、・・・・。
ヒント : シェフ「同じゴールを目指す時,違う道を行くラリーもあるよね?」(車種も性能もドライバーテクも違う)
若者 「???」
・・・・ 「朝、同じ電車に乗らなきゃならないのに、寝坊したら?」
・・・・「同じ道,同じ自転車・・・・同じ速度で乗れる?」
・・・・・と、ヒントのような?禅問答のような?(笑)
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